USの5人組インスト・バンドによる2ndフルアルバム。元々はヴォーカルもアリの6人編成だったようだが、本作で苛烈に散らされる楽曲群は、全編純然たるインストでござい。
技巧的に咲き乱れる攻撃的なメタル因子を、叙情系インストの軌条に走らせたようなサウンドだ。随所で炸裂するメタリック・リフが鼓膜を裂傷させ、トレモロ/ディレイの美麗な旋律が羽衣のように各パートを繋いでいく。リズムは全般的にマス・コア寄りの複雑な展開でもって暴れ、全8曲/45分間を揺ぎ無いテンションでシームレスに牽引。全くもって油断ならない。
衝動に身を任せる瞬間はほぼ皆無で、激烈なリフや殺傷する爆音、そうした全てのアグレッションは徹底した理知の統制化に治められて鳴り響く。ために、最後の一線を越える絶頂感にもう少しのところで手が届かないのだが、快なるリフの選択や端々で激メロなフレーズを燻らせるベース・ラインなどはそれを補うに十分な磁力を持っている。個人的に、最近はド直なまでに直接的な楽曲が好みなのでこんな評価だが、1年ほど前なら狂喜して絶賛していたかもしれない内容の良作。叙情系インストとポスト・メタルの中間に位置するフィールドは、意外とニッチな市場かもしれない。
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