IN MY EYES/Nothing To Hide

★★★★

90s後期に活動したボストンのSxEハードコア・バンドによる2nd。本作のリリースを最後にバンドは解散。マッチョな感情の押しつけは大変苦手とする私だが、此処にて精悍に吐き捨てられるワーズの群流は大好物。知的と言っては語弊があるかもしれないが、随所で図られる"陽性"へのドラマティックな転換っぷりには、激情任せではありえぬクールなキレ味が感じられる。

曲中でも曲間でも感じられるのだが、このバンド、音のUP&DOWNがメチャクチャうまい。突き掛かるリフが刻む縦ノリと、豪快に踊る横のグルーヴが総じて波状に展開する。Pete Maherのヴォーカルもまた同じく、ソリッドに刻み立つ膨大な言葉の連なりで、時に弾丸めいて切り込み蹴散らし、時に叙情的な青波を立てて場を揺らす。メジャー/マイナーのコード転換がその大胆に一層の拍車をかけ、ひたすらにモッシィな連帯感と共に駆け抜ける全12曲でたったの19分間。蒼い衝動を代弁する強く熱い音の連なりに、もはや10代でも無い自分はしかし心底惚れたのでした。

http://www.myspace.com/inmyeyeshc