ICARUS LINE/Penance Soiree

★★★★☆

ロスの5人組、Icarus Lineの2nd。1st時にはライブでの奇抜なパフォーマンスと絶叫だけが売りのような、単なる変態スクリーモバンドって捉え方をしてたんですが、今作を聴いてかなりぶっ飛びました。凄い。

骨太なベースラインと叩きつけるようなドラムスがダークなグルーヴを生み出しているTr.1"Up Against The Wall"、ジザメリばりのフィードバックノイズが全てを攪拌する2分間のハードコアソング"Spit On It"、QOTSA顔負けのストーナーロックサウンドから始まり、ペリー・ファレルを髣髴とさせるJoe Cardamoneのボーカルと共に一つ目のクライマックスへと雪崩れ込むTr.3"On The Lash"、重戦車のように突き進むリズム隊と咆哮するエレクトロニカサウンドがまんまPrimal Screamの"Kowalski"なTr.4"Caviar"、AC/DCの世界に迷い込んだかのような錯覚を起こす端正でリズミカルなギターリフが印象的なTr.5"Spike Island"、そして終曲の"Party The Baby Off"では、一転してロックンロールへの憧憬を無邪気なまでに表現したかのようなメジャーコードが炸裂する3ミニッツソングがかき鳴らされ、こんな曲も書けるのかと驚かされたり・・・・・・

と、全曲レビューしそうな勢いなんですが、この他も一切駄曲なしの素晴らしい内容。巷では次世代のストゥージズとか言われ、パンク/ハードコアの潮流で捉えられてたりもするみたいですが、個人的にはこのアルバムからはツェッペリンやサバス辺りからの影響を色濃く感じました。と言ってもDatsunsのように力でゴリゴリ押し進むタイプでは全くなく、Icarus Lineの曲はファンク的な要素を取り除いたJane's Addicitionのような、へヴィだけど変幻自在なグルーヴが渦巻く、色気のあるサウンド。これだけ生々しい「Rock」を聴いたのは久しぶり。素晴らしい。