THE HIVES/Your New Favorite Band

★★★★

現在のRock'n'RolL Revivalブームの急先鋒となったとも言えるHivesは、スウェーデンの5人組。本国では2枚のアルバムを出し、グラミー賞にもノミネートされるなど大人気だった彼らがアラン・マッギーの目にとまり、poptonesからリリースされることになったのがこのアルバム。過去の2作品からのコンピレーション。内省系ロックに席巻されていたシーンに対して「俺らみたいなバンドがいるんだぜ」と主張しているようなアルバムタイトルどおり、むちゃくちゃアグレッシブで痛快なガレージロックサウンドを鳴らしてます。一瞬にして引き込まれるキャッチーさを持ったメロディーを乗せてガンガン切り込んでくるタイトで熱い演奏、加えて最初から最後まで超ハイテンションなボーカルが吼え、全12曲でたったの28分間、嵐のように吹き抜けていきます。単純明快だけどとにかくほんとに熱くてカッコ良い!これがロックだと言わんばかりのサウンドはほんっと爽快、スカッとします。

Tyrannosaurus Hives

★★★★

昨今のガレージバンドブームの火付け役となったHivesの4th?アルバム。結論から言うと、「良い!」それも相当に。"Your New Favorite Band"での"Main Offender"や"A.K.A〜"のように、リスナーのを血液を一瞬で沸騰させてしまう、強烈な殺傷性を持ったイントロのギターリフは抑え目(といってもそこらのガレージバンドと比べたら今作もむちゃくちゃキャッチ-です、あしからず)ながら、アルバム全体における緩急の使い分けが素晴らしい。

疾走するドラミングにより幕を開けるオープニングトラックに続き、サビに至るまでの絶妙なタメ具合が最高なTr.2、そしてBallbreaker期のAC/DCを彷彿とさせるような、ミドルテンポで規則正しく反復するリフが縦ノリの気持ち良さを余す所なく引き出しているTr.3"Walk Idiot Walk"、そしてこのアルバム中最もお気に入りなのが、Tr.5"A Little More For Little You"。トイチックに加工されたギターが奏でるちょっと間の抜けたリフから中盤で一気に転調し、ありえないぐらいにメロディアスなサビのコーラス部分に雪崩れ込む瞬間の昂揚感は最高。

Tr.3のところでも書いたけど、今作で顕著なのがミドルテンポのギターリフが刻み込むザクザクとした荒さをもった縦ノリの気持ち良さ。疾走感の減少を理由に、ファンの間では賛否両論みたいだけど、あくまでHivesらしさは残しながら、疾走するナンバーとミドルテンポでこれまでに無い展開をもった曲が交互に訪れる構成に、一瞬たりとも飽きることがないし、アルバム通して何度も聴ける。前作と同じようにガンガン攻めるだけの音だったらたぶん飽きてたかなぁと個人的には思います。かなりお薦めの作品。



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