HERBIE MANN/Memphis Underground

★★★★

フルート奏者/Herbie Mannによる69年作。正統派ジャズ畑からは貶され、はたまた別サイドからはなかなかの良盤として称えられているという有名作。

ファンクの系譜で巡り合った作品だが、他に無い独特な色のあるサウンドが大変魅力的。メロウにクールにアグレッシブにと吹き分ける、生っぽい質感満載のマンのフルート。跳ねるビートのグルーヴを、絶妙に希釈して滑らかに仕立て上げる。

一番好きなのがTr.3"Hold On I'm Coming"
マイアミのSoulグループ/Sam&Dave(スンマセン、聴いたことない)の楽曲をカヴァーした8分52秒。旋回するフルートだけでも十分イケルんだけど、さらに直接的な刺激を求む心臓へ、まさに今!なタイミングでギターが切り込む。ラリー・コリエル&ソニー・シャーロックのツイン・ギター。ジミヘンばりのディストーション/ノイズ全開の、およそジャズとはかけ離れた品の無い(失礼)"ロック"なリフが、ここではとても良い感じでハマってる。あと、たぶんこのパートだけベーシストが違う。後ろでコッソリ鬼のような早弾きをば見せる。魅せてくれます。スゲー格好良い。

やや落ち着くも、やはり熱めな音がせめぎ合うTr.4"Chain Of Fools"は、Soulの女王/アレサ・フランクリン(こ、これも聴いたことないのだが、、、)のカヴァー。最後は激メロウでソウルフルな"リパブリック賛歌"で幕引き。終始に渡って絶妙なグルーヴが渦を巻く、平熱の狂騒が素晴らしく気持ち良い、ナイスな作品でありました。

http://www.myspace.com/herbiemannn