96年のAT THE GATES解散後、g/baのビョーラー兄弟を中心に結成されたスウェーデンの爆撃メタルバンド(上手い言い回しが思い浮かばなかった)による6th。猛攻する爆音ストレートの只中に巨大なグルーヴのウネリを感じさせるトルネード・サウンドは、オギャァー！と発奮するに待ったナシのドラマティック衝撃音。鼓膜を通じて加速Gさえ感じさせる強烈なドライブ感がベラボウなまでに絶品で、ひとたび着火したが最後、圧倒的な爆音の饗宴をラスト一片までしゃぶりつくす羽目になる。
実速で見ればミドル〜スロウテンポの楽曲がむしろ中心になるのだが、排出されるドライヴ感は全編においてまるで緩まず、先の「仮想G」も合わせて体感的には最後まで"ぶっ飛んで"鳴り響く。とりわけアルバム中〜終盤にかけての展開では、ミッドテンポのたわんだ爆音の間隙に"グルーヴ"という名の魔物が棲みついておるのがハッキリ見える。杜塚さんのレビューで巧みに表されているが、狂人めいた繰言から咆哮へと雪崩れ込むPeter Dolvingのヴォーカルはマジ全編に渡って激的、べらぼうに格好良い。期せず本能が衝動が踊り出す。メロディアスを内包したパワー・グルーヴを撒き散らすスラッシュメタルというのは、今年TESTAMENTの新作で「こんなの初めて・・・」となった身にはかなりタマラン刺激を持っているようで。
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