GLOWSUN/The Sundering

★★★★

仏産Psych/Stonerバンド、08年発のデビュー盤。良くも悪くも様式美が席捲するこの界隈のサウンドにて、小粒だがキラリと光る何かを感じた一枚。シィンシュインゆってる音響にMONSTER MAGNET辺りも連想したが、歪みとともに、空間系のエフェクターをうまく放り込んだ音作りに序盤からオォ〜!とお耳が惹き込まれる。ベーシックだがツボを押えたリフ回しでツカミつつ、すんなりとは掴めないリズムが絶妙なテンションで全体を引っ張りまわす。とりわけ頑張っているのがドラムスで、手数ではなく音の「響き」を意識していそうな叩きっぷりが、ジャンルでいえば黴臭い部類のウンドに、裏から良い意味で鮮やかなイロを足して聴こえる。

気怠るくエロティックなサンプリングを巧く用いた"Barbarella"でのヘヴィ・グルーヴ、昂揚中枢を直火焚きするよなリフが流れ込む"Green Sun, Sick World"での恍惚、そして随所で強く印象に刻まれる予想外の変拍子やエフェクトの類まで、先のMONSTER MAGNETはじめ、KYUSSやHAWKWINDまで漏れなく入ってますよ!というのがマイナスの形容として響かない、思わずニヤリとさせられる魅力を感じるナイスな一枚。

http://www.myspace.com/glowsunmusic