GHOST OF THE RUSSIAN EMPIRE/With Fiercest Demolition

★★★☆

底知れぬ影を孕んだ昂揚の音を放つテキサスの4人組/Ghost Of The Russian Empireの6曲入りデビューEP。

鳴り響くサクソフォンがUSバンドならではの荒んだ叙情を奏で上げ、幾本もの強靭なギターリフが折り重なる。漠とした焦燥・怒りを背後に従えながら邁進する"august:1941"、"NOV 2070"は、デビュー時のTCTCの一側面を感じさせる。一方、ディレイがかったギターヴェールの渦中を灰暗く輝くBrandon Whittenのヴォーカルが浮遊する"dialection"は、何とも心地良く流れる闇の空間を演出するシューゲイズナンバー。この朧げな質感のヴォーカルが何とも強く、強く意識下に働きかける。力強く行進するギターストロークを基調としながら、ストリングスパートの絶妙な導入によって物悲しくも強靭な音像を繰り広げていく様に、DovesやHope Of The Statesとの近似も感じ取れる。

楽曲の高い完成度と、容易には計り知れぬ世界観を感じさせる良質な一枚。恐るべし土地テキサス。このバンド名、ジャケ写に惹かれるものを感じた人には、特に強くオススメします。

http://www.myspace.com/ghostoftherussianempire