FRANZ FERDINAND/ST

★★★★

英国、日本ともにかなりのフィーバーぶりを見せているスコットランド出身のバンド、Franz Ferdinandのデビューアルバム。よく言われているように、意地悪な言い方をすればポスト・パンク系バンドとストロークス以降のガレージバンドのサウンドのいいとこどり、って言える音なのかも知れないけど、やっぱりこういうのは「やったもの勝ち」でしょう。

先に述べたように、ザクザクとした金属的なリフを刻むギターやタイトなビートを刻むドラムスに、ポスト・パンク系バンドの踊れる要素を感じつつ、フランツ・フェルディナンドの音からはその手のバンドに特有のちょっぴり痛々しい感じが全くしないのが不思議。これはかなり渋い声のボーカルと、むちゃくちゃキャッチーなメロ、雄弁に語る骨太なベースラインに因るところが大きいのかも。

結構色々なバンドからの影響がうかがえますが、Tr.2"Tell Her Tonight"やTr.8"Darts Of Pleasure"なんかを聴いてると、ちょっぴりおふざけの入ったキャッチーなメロディーやコーラスワークの使い方に、Park Life期のBlurに似た雰囲気を強く感じました。とにかくメロディセンスがピカイチなので、駄曲は1つも無し。これだけ売れてるのにも納得しました。ストロークスと同様、これからフォロワーがたくさん出てくるでしょうが、最初に言ったようにこういうのはやったもの勝ちの世界なので、今後どれだけセンスの良いバンドが出てきても、それらはやっぱり「フォロワー」の位置に甘んじるしかないだろうなぁと思います。