FOALS/Antidotes

★★★☆

英オックスフォード出身の5人組によるデビュー盤。本人達は何と言うか知らないが、サウンドの端々にRapture、Battles、そしてBloc Partyといった先達の色が散らばっている。ただしその混成具合は絶妙で、出来上がりの配合物に「我」を感じさせるところは強みかも。

明滅するシンセの微熱、ストイックに空間を刻むリズム、囃し立て、時に情緒的な幕も張るヴォーカルを掛け合わせた複層仕様。度重なるリフレインにより築いた端整な音壁へ、生楽器の鈍い煌めきやプリミティヴなビートの亀裂を走らせ次第にアゲてくところなど、全般にアタマを使ったプレイが印象的。

ハイフレットのギターワークに鍵盤・打楽・声の全てがポリリズミカルに絡み収斂するTr.8"Two Steps Twice"が個人的にはハイライト。ただ、アルバム全体で見るといささか小さく纏まり過ぎかも。オープニングで燃えたものが、そのまま下火になっちゃう感じ。色々なピースの配合を巧くこなす分、その際に抜かれた毒っ気が多いのか、突き抜けた昂揚感が絶対的に不足気味。近しくも結びつき難いジャンルの垣根を、巧くブツけて壊さんとする姿勢はオモロイけれど、今作ではまだちょっと弱いかなーというのが正直なところ。

http://www.myspace.com/foals