EFTERKLANG/Parades

★★★

デンマークのポストロックバンドによる2ndフル。ポストロック、と書いたものの、Efterklangの10人が奏でる楽曲は、昨今の「」付で語られるポストロックとは全く別の方角を向いている。

繊細で脆い質感のエレクトロニカ。弦楽と管楽を織り交ぜたストリングスによるオーケストラルなアレンジ。底から沸きあがり、上から塗り固められるコーラス隊が支配する荘厳な気配。そのどれもが非常に重苦しく、逃げ場の無い暗がりへと追い込まれるような生々しい窒息感を伴った連なりとして奏でられていく。それはもう、ホントに、絶望的なまでに重たい。

厳かなコーラスも、豪快なブラスセクションも、柔らかに明滅する電子音も、何一つとしてこちらを何処かへ導いてはくれない。重厚に積み重ねられるアンサンブルは、醸されるその膨大な熱量とは裏腹に、聴き手を特定の高みへと連れて行くなどという意識とは、まるでかけ離れて響く。牧歌的という面を通り越して、ほとんど暗鬱たる気分を引き起こすメロディと、壮大であればあるほどに、絶望的な暗さを蓄積していくような音像はかなり特異。

Tr.4"Horseback Tenors"で、一瞬だけ外へ向かう開放感を見せるものの、他では徹底して暗く、重々しく、内側へクログロと堆積していくサウンドを展開。ここまで徹底してるとスゲーなとは思うが、今の自分にはちと重過ぎた。

http://www.myspace.com/efterklang