DROP DEAD GORGEOUS/Worse Than A Fairy Tale

★★★

米コロラド州のスクリーモ系ハードコアバンドの2nd。20歳前後の若い6人から成るバンド。今作ではプロデューサーにロス・ロビンソンが付いている。

ひずんだギターサウンドがのたうち、轟くベースラインと暴れ打たれるリズムを下敷きに、引き摺り出されるように激を吐くヴォーカルが乗るスタイルは、自分の中にある"メロディックなスクリーモ系バンド"そのまんまなサウンド。実際あまり好きでない方面。なのだが、前作ではここにエレピが分かり易く絡むことで、上手い具合にアク抜きされたスマートさが立っていた。

しかし今作、各インストゥルメンタルはよりヘヴィに、展開はよりカオテイックな方向に増幅されており、結果として多くの部分において没個性的で歯切れの悪い音像になっちゃた気がする。複雑なビルドアップを図るはずが、逆にその基礎体力の無さを露呈してしまったような楽曲のモゴモゴとした連なりは苦痛以外の何者でもなく、スキップスキップスキップじゃぁ〜!!!ってな具合でボタンを連打したくなることこの上ない。我慢して我慢して我慢し続けているとようやく8曲目から聴ける瞬間が垣間見え出し、Meshuggahばりのブンブンベースが飛び出て全体がグチャグチャになる11曲目で、ちょっとしたカタルシスも醸成する。

妙に芝居がかった紋切り型の序中盤より、プロット破綻して最早グダグダのヴォーカルが叫びまくる終盤のほうが明らかに面白い。エレピもこの段になってようやく、メロディアスな劇場型フレーズからセンチなクリアトーンまでを臆面なく出すようになり、ベタだけど印象も強くなる。構成要素のちょっとした差異で大きく好き嫌いが左右される辺り、面白いジャンルではあるなーといつも思います。

http://www.myspace.com/dropdeadgorgeous