DIGRESSION ASSASSINS/Omega

★★★★

スウェーデン産テクニカル・ハードコア。07年リリースのEPに続く1stフルがコレ。インプロと呼ぶにはあまりにも整然として響き、かたやアンサンブルと言うには傲慢に過ぎる主張を繰り出す轟音に頭グラグラ。かなーり独創的な畳み掛けっぷり煽りっぷりがカッコイイ。

生々しい「混沌」と「熱気」を「無機質」でコーティングしたかの切り口で迫る楽曲が、全11曲でたったの27分間をノンストップで蹂躙。複雑に入り組みながらも、聴感上は滑らかでさえある工作物は、全体で禍々しく歪んだ真っ黒な影を揺らめかす。膨大な負のエネルギーを、ひたすら外への暴力として撒き散らす不協和音マミレの爆音は、アタマで理解するより早く、強烈な衝撃として飛び込み叩き込まれて刻まれる。余剰を剥いだヘヴィなリフ/リズムが、空中分解スレスレの一線上で噛み合い、音楽として機能するサマが素晴らしく美しい。アルバム終盤に向かうにつれて、のめり込みを容易にする反復フレーズを多用してくるとこがまたニクイ。まだこの界隈のすげーバンドを知らんので、今回聴いたコレはかなり斬新な衝撃で鼓膜を撃ち抜き響いて興奮した。

Next Step Can Only Be Supposed

★★★★

そしてコチラが07年発のEP(CDR)。まさしく一瞬。瞬殺を謀る4曲/8分強がフルスロットルでぶっ飛んでくる。ワケが分からんままに終わってる。アルバムに比べると今作では、ハードコア本来の熱狂的グルーヴがより濃くウネっておるようで、すなわちより一層キモチ良くなりやすい。音の質感にも生々しい熱気がかなりストレートに反映されており、むっちゃくちゃな変拍子も強引に捻じ伏せ驀進。あんまりにも短いのでナンだけど、アルバム聴いて良かった人は、是非こちらも聴いてみてね。

www.myspace.com/digressionassassins