THE DEVIL WEARS PRADA/With Roots Above And Branches Below

★★★★

劇場型のスクリーモをブチ撒け果てる、USの5人組(クリスチャン・メタルコアという既に形容の意味があるのか不明なカテゴライズがなされる)バンドによる09年作3rd。メロディック/スクリーモ/ドラマティックと、この界隈だと苦手意識Oh yeaaah!な形容が飛び交うバンドながら、意外やこれはかなりイケてしまった。

常時全開のシャウトで理性に対して「殺し尽くし・焼き尽くし・奪い尽くし」の三光作戦を展開する激烈なヴォーカルを筆頭に、アグレッシヴィティ満開のリズム・セクション、超重武装のギター・リフが山となり襲い掛かる激烈な展開に、のっけからブッ飛ばされてメタメタに。何よりオモロイのがキーボード。この鍵盤が時にめくるめく旋律で全像を広大な宇宙空間までブッ飛ばし、果ては享楽感たっぷりのアゲアゲなフレーズで快楽中枢を十二分に洗い上げ昇華。メロメロなクリア・ヴォイスと蒼然たる激情を往来し、やがて湧き立ち錯綜するシンフォニックなKeyのメロとともに全て渾然として巻き上げられていくTr.4"Dez Moines"で一つ目の絶頂をキメてみせ、ゴシックなフレーズを翻す"Big Wiggly Style"、再びメロディック/シンフォニックな大転調を交えてのドラマティックを展開する"Danger Wildman"〜"Ben Has A Kid"へと繋がっていく辺り、かなりタマラン。

理性を薙ぎ倒し獣性を起こすメタリック・リフに怒涛のブラスト・ビート、理屈抜きの昂揚を呼ぶメロディックな鍵盤のイロめきと、自分の好きな要素をかなりのベストバランスで感じさせ、魅せてくれるナイスな一枚。何回聴いても楽曲個別の印象が定着しないのだけど、のっけからラストまで我に返る間もなくトビ続けられる素敵な一枚となりました。

http://www.myspace.com/tdwp