15年以上のキャリアがあるなんて(良い意味で）微塵も感じさせぬクソミソな「勢い」をブチ撒ける豪州産THRASH
METALバンドによる7年ぶりの新作。
背面でほとんど「災厄」そのもののような轟音ギターをドロドロと轟かせ、前方をブラストビートがズダダダズダダダと爆走して惨劇のような音場が完成。ちなみに「惨劇」という単語には、なにか他人が見舞われた不幸並びにその絶望的な境遇を傍から見て楽しむ〜といったニュアンスを感じるのだが……参った参ったと言ってるのに全く許してくれずに尚イロイロなものが容赦なく降りかかってくるサマを思わせる「惨」に、そのシチュエーションに非日常的なドラマを見出して興奮する「劇」ですもんね。事態に見舞われている当人はその渦中で絶対に「惨劇」なんてフレーズは思い浮かばんだろうという、圧倒的に野次馬気質なニュアンスを感じるのがこの「惨劇」というフレーズです。
というわけで大概がいい歳こいたオッサンらが束になって創り出すDESTROYER 666のトラジェディックな音塊を、門扉を閉じ身の安全を確保した屋内からこっそり覗いて楽しみましょう。何度聴いてもやっぱり一本調子ではありますが、全てを灰燼に帰す勢いの絨毯爆撃音に、きっとアナタも興奮するだろうよ。
http://www.myspace.com/destroyer666band