CURSIVE/Happy Hollow

★★★★

USインディ・ロックシーンの重鎮、オマハの4人組による通算5枚目となるアルバム。来る9月にはVelvet Teenとの来日公演も予定されている。

量感のあるタイトなリズム隊の躍動に、ファニーに炸裂するブラスセクションやストリングス、多声コーラスの彩色を随所に散りばめながらの展開。フランツ・フェルディナンドにも通じるポップなダンディズムを放射するTim Kashierの声に牽引され、豪快に炸裂する音の塊は「インディ・ロック」というフレーズに付き纏いがちな音の脆弱さなど微塵も感じさせない。

職人芸的な緩急、弛緩と緊張をそのダイナミックな展開に混ぜ込んだ楽曲群。各所でゴスペルやファンクの要素も多分に感じさせるヴァラエティに富んだ表情を見せながら、その非常にスリリングで熱い展開は、どれも紛れもなくストレートなロックンロール。雑食なんていう形容が浮かび上がらないぐらい、完全に全てを消化しきったソリッドで、時にムーディーなロックの音塊。中でも先行シングルとなったTr.2"Dorothy At Forty"が熱い!先の要素をすべからく内包するこの曲は、終盤にかけての2重3重のトリッキーな畳み掛け具合に思わず悶絶させられる。結成11年目にしてこれだけ刺激的な音を弾き出す彼らに感服。ライブが楽しみだ。

http://www.myspace.com/cursive