THE CROWN/Possessed 13

★★★★

単体で見れば取るに足らない小さなストレスが阿呆のように降っては去っていく、というのが日常だとはいえ、ごく稀にだが、ほとんど眩暈にも似た白濁の閃光と共に思わず我を失うほどの怒りに駆られる瞬間というのが本当に稀ではあるがやはり、ある。そんなとき、己が頭に爆音で叩き込む!!!のに恐ろしくハマる破壊的なアグレッションの塊ともいえるサウンドがこれ。

スウェーデンのデスラッシュ・メタルバンドによる03年作。後に続く衝撃音に比べればほとんど無音にも等しいノイズから立ち上がるオープナーの"No Tomorrow"から奔り出す爆音はもう止まらない。前作でTomas Lindbergにその座を奪われたものの本作で再びカムバックを果たしたオリジナル・ヴォーカリスト/Johan Lindstrandによる、さながら真後ろに死神の大鎌が見えるような怒涛の咆哮が興奮の極みを爆走。殴り倒すようなベースライン、情け容赦ないギター・リフ、暴虐の限りを尽くすリズムが次々と沸いては炸裂し、膨れ上がり充満して圧するヘヴィネスの権化が尋常でない興奮を呼ぶ。世に蔓延る怒りを余すところなく体現してみせる暴動のような爆音。身体の奥底から得体のしれん衝動が湧き上がります。凄すぎ。

http://www.myspace.com/thecrownonlineswe