CREAM/Live Cream Vol.2

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 1966年にエリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーの3人により結成され、わずか2年半で解散した伝説のトリオ、Creamのライブ盤。「アルバムとライブは別物」と言われるバンドは多々あるが、このバンドはまさにそれ。体中の血液が沸騰しそうに熱く/厚い演奏が繰り広げられている。

 3人とは思えない重厚なバンドアンサンブル、と同時に「アンサンブル」と呼んでいいのか戸惑うぐらいに自己主張の強い各プレーヤーの演奏。レスポールの乾いたリフをブチかますクラプトンと、「極悪」と言いたくなるようなアクの強いベースラインを叩き出すジャック、そしてその2人に負けてたまるかとでもいうように強靭なリズムを弾き出すベイカーが、お互いまさに一歩も譲らず展開するインプロヴィゼーションは凄まじいの一言。

 「演奏中にギターの調子がおかしくなったことがあったんだ。でもその時他のメンバー誰も俺をヘルプしないで、自分の演奏だけしてやがった。こんなバンドもう嫌だ」、と解散時に語ったクラプトンの逸話にも思わず納得してしまう各々の自己主張ぶりだが、それらが一斉に雪崩打って押し寄せ、生み出されるグルーヴには尋常でない昂揚感が宿っている。11分以上に渡って繰り広げられる"Steppin' Out"で悶死してください。



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