COUGARS/Pillow Talk

★★★★

南米のバンドっぽいジャケ写だが、実はシカゴの8人組ロックバンドであるCougars。本作は彼らの2ndアルバム。

Shellac直径の硬質なギターリフが空間をザックリ刻む一方で、サクソフォンやトランペットといったブラスセクションが何ともファニーな雄叫びを上げて、楽曲に生の躍動感を植えつける。さらにそこかしこで加えられるエレクトロニカの彩色までが相伴い、緊張と弛緩が混ぜこぜになったような、何とも奇妙な、それでいて分厚い熱量を放射するロックンロールを形作っていく。

実はプロデューサーは御大スティーヴ・アルビニ。彼の手にかかった作品は良くも悪くもその音にある一定の画一化が見られるのだが、今作ではギターの殺傷力とバウンシーなリズム隊というアルビニ仕様を、8人という数の力によるライブ感が、随所でもって覆してしまう。その様が何とも爽快。

中でも、いななくトランペット/性急なビートの疾駆/不安定によろめくシャウトと共に驀進するTr.3"Who7s Got The Sniff"は、抜群のライブバンドでもある彼らの、その生々しい熱量を余すところなく横溢させる強烈なナンバー。何ともカテゴライズの難しい、ユニークにして魅力的な1枚。

http://www.myspace.com/cougars