THE CORAL/Nightfreak & The Sons Of Becker

★★★★

前作「Magic & Medicine」からわずか6ヶ月でリリースされた11曲入りの作品。制作期間2週間でほとんどが1発録りで収録されたという今作は、一応は3rdへの繋ぎとなるミニアルバムという位置づけになるらしい。ガレージっぽいサイケロックとも言えるけど、このひねくれ感はやっぱりCoralならでは。

2ndアルバムは彼らの持つ音の幅の広さを強く感じさせる、まさにスルメ盤ともいえる味わい深い作品だったけれど、その分1stで感じられた曲を聴いてる時の楽しさみたいなものが若干薄まってしまったような感じがしてすごい愛聴盤にはならなかったわけですが、そういった意味では今作は初期のなんでもアリ的な楽しさが戻ってきた音作りで、至るところで登場する奇妙に歪んだサイケでフリーキーなギターサウンドと転調がものすごく痛快。

耳に突き刺さるようなギターサウンドと美しいメロディーが交互に訪れる"Precious Eyes"から始まり、1stの"Skeleton Key"の時のように全員で「なんてこった、俺は名前を忘れちまった!」とコーラスとも言えないようながなり声を炸裂させながら爆走していく"I Forgot My Name"、ダークな側面を見せながら加速するメロディーが、ジャングリーなノイジーギターとへヴィーなドラムサウンドの中に突っ込んでいく"Migraine"などなど、通して聴き終わった後にもう一度playボタンを押したくなるような中毒性を持った勢いのあるサウンドが満載。3rdアルバムがむちゃくちゃ楽しみ。



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