THE COMAS/A Def Needle In Tomorrow

★★★★

Comasはノースキャロライナ州、チャペルヒルという町のバンド。ここはスーパーチャンクなんかの出身地としても有名ですね。音は結構ヴァラエティーに富んでいるので定義しにくいけれど、いわゆるスロウ・コアの類に入るんではないだろうか。

Tr.1の"Arena"は、男女混声ボーカルが胸を打つ、ゆったりとしたエモーショナルなナンバー。続くTr.2は、ターンテーブルのスクラッチ音が絶妙な感じで取り込まれた、切々と歌われるすごく優しい感じのする曲。がらっと雰囲気を変え、ソニックユース張りの攻撃的なギターイントロと、エフェクトがかったボーカルがなんとも「ロック」しているTr.3。さらにTr.5では、ブリザードのようなフィードバックギターと静かに鳴り渡るオルガンの音色のイントロがシガーロスそっくりだったり、またまたターンテーブルが登場し、シンセやオルガン、beatlesちっくなアコギの音色と相まって素朴ながらも美しく、エモーショナルな展開を見せる、このアルバムのハイライトトラック"Sister Brewerton"など、あとからジワジワと効いてくるような、素晴らしい曲が詰まっている。もし天才肌の子供がいてアルバムを作ったらこんな感じになるんじゃないかと思うような、各楽器の使い方や配置は絶妙ながら、独特の歌詞を含め、絵本の世界のような純真さと遊び心が溢れる1枚。すごく良いです。プロデューサーはWilcoなども手がけているブライアン・ポールソン。



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