COHEED AND CAMBRIA/No World For Tommorow

★★★

NYCの4ピースによる4thアルバム。今作で初めて聴いた。純然たるメタル様式のインストゥルメンタルに、エモーショナルだが端正な歌が乗る。プログレッシヴな柔軟性も備えたメロディック・メタルなサウンドは、個人的に大好物。

なはずなんだが、駄目だった。カッチリとしたリズム隊とギター・バッキングによる磐石の進行や、合間合間で差し込まれる大仰なソロ・フレーズなど、古典的HR/HMの要素をわりとまんまで表出させる演奏は、特別な新しさこそ無いものの格好ええ。しかししかぁし、そこに歌が乗った瞬間ワタシ一気にドン引き。

そのゴツイ風貌からかけ離れた美ヴォイスを展開するClaudio Sanchez。ハイトーン・ヴォイス自体は苦手でないんだが、そこへ妙に研ぎ澄まされたエモーションが混入すると、どうにもアニソンのような、ペラペラとしたヒロイックさが匂ってきてダメ。何とも言えんムズ痒さを感じる。

誇大なコーラスによる装飾や、バン!と前面にせり出す音塊によるドラマチックな演出のハッタリに比して、ヴォーカルの突き抜け具合がどうも中途半端。同じくアニメ臭を感じるサウンドでも、Nightfistみたくゾッコンで演ってるものは入り込みやすいんだけど、そこに少しでも変な作為性を感じると冷めてしまう。物凄く感覚的な好き嫌いの線引きではありますけれども。

http://www.myspace.com/coheedandcambria