COACHWHIPS/Double Death

★★★☆

惜しくも解散してしまったサンフランシスコのトリオ、Coachwhips。一瞬にして駆け抜けた彼らの軌跡を辿るべく(?)リリースされた本作は、シングルB面曲、並びにキンクスやヴェルヴェッツのカヴァーなどをブチ込んだ、全25曲にして47分のアウトテイク集。頭のネジが数本飛んでしまったかのように破天荒、直情的で喧しいナンバーが、何ともステキにこちらを射抜く。

ファズ塗れのプリミティヴなコードをひたすらにかき鳴らすギター、ただただアグレッシヴにビートを弾き出すドラム、時に狂った様相で空間を飛び交うキーボードの3者が行うローファイ・ブルース・ガレージロック。ラモーンズから大きく影響を受けていそうな「1・2・3・4」のロックンロールは、HellaやLightning Voltにも通じるエクスペリメンタルな空気を感じさせつつも、その実真っ直ぐなこと甚だしく、スッカスカなくせにそのダイレクトさによって鼻血が出そうなほどに濃〜厚な音塊となって撃ち寄せてくるのだ。ハンドマイクを通してガナっているかのようなフロントマン/John Dwyerの割れた声がまた何ともカッコよく、暴力的な昂揚感をもってこちらをアジテーション。上げて挙げて揚げまくる。

タイトルをDouble Discにかけているのかは不明だが、本作には彼らのライブを収録したDVDが併録されている。文字通りオーディエンスと一体となって、ストレートな音を叩き出していく様が非常に熱い。オススメ。

www.myspace.com/coachwhipsvsfuckers