THE CHEMICAL BROTHERS/Further

★★★★

約3年ぶりとなる7thスタジオアルバム。下手な大作を思わせる邦題は野暮だが、内に込められた全8トラック/52分間は珠玉。それこそ、時を超え輝き続けてもおかしくない輝きが見える。

その手法は本当に、どこまでもシンプルだ。キラキラと反射するパルスで惹き、旋回するフレーズに押し包み、飛翔するビートで解放してみせる。シンプルだからこそ、その輝くような高揚感を形作る要素、その一つ一つの純度がハッキリと見える。このシーンで十何年ものキャリアを持つ大御所が、こんなにも瑞々しい、どこにも衒いのないストレートなサウンドを作ったというのが本当に驚きで、嬉しくなるほどに興奮する。どちらかといえば静的なフォルムを持ったアルバムだけども、磨き抜かれたそれには、見飽きることがないものに見惚れるような高揚感がある。ここ1ヶ月ほど週末にヘヴィローテーションしているお気に入りの一枚。Limited Editionに付属する、全トラックの映像が付いたDVDを流し続けるのがほんとに気持ち良い。ちなみに、こちらでこう紹介されてなかったら恐らく聴くことはなかったかと、、、

http://www.myspace.com/thechemicalbrothers