前作"Keep It Like A Secret"がとんでもなく素晴らしかったBuilt
To Spillの5thアルバム。その路線の延長を想像していた私は、初めてこのアルバムを聴いた時は一瞬「！？」って感じになりました。メロディーはそこそこキャッチｰなんですが（特にTr.1なんかはかなり聴きやすい）、前作ほど突き抜けた感じがしなくて、大きな抑揚のないままに展開されていく曲が多いことに最初はとまどったんですが、聴き込んでいくうちに相変わらずの職人的な音作りはやっぱり徐々に快感中枢を犯していく気持ち良さがあったりしました。
一体どういった楽器が使われているのか分からないぐらい多元的に音が積み重なっていて、それでいて一つ一つの音が絶妙に配置されており、気持ちよく歪んだギターとVo.ダグの声が微妙に変化していくメロディーを奏でていく曲群は、かなりサイケデリックでジワジワくる高揚感がありますね。キラキラしたエレクトロニカな音はあまり登場しませんが、同じくポップ職人のGrandaddyに通じるものも感じます。この1曲!!!ってのはありませんが、普通に良いアルバムだと思います。いい加減来日して欲しいなぁ。