BONGRIPPER/Hippie Killer

★★★★

シカゴの悪漢(たぶん)4人組による2nd。凶悪、かつ非常識な壮大さでお届けされるULTRA HEAVYなトリップサウンド。ぶっ飛んでるよ。

とりあえず、この上なくラウドで長大なサウンドは「馬鹿か?」と訝るまでにスケールがデカイ。以降の展開を予想させるに十分な、深遠なる深淵を覗かせる拡散系のイントロ(2分)でお導き、手ぐすね引いて待ってたよな極悪リフにズリズリとなすがままに引き摺られる"pt.2"は16分強。ダラダラダラダラとドゥーミィなロールを続けるかと思いきや、3分を待たずに音塊は一気にドライブ。左右を飛び交うファズが音像をスペーシーに塗り潰し、後は空間を自在に折り曲げ伸張させながら、終局のカオスな激音へと崩壊崩落。凄まじく喧しい多重奏に放擲されたコチラは呆然。ってかまだ2曲目ですよと。

打ち抜かれるタムのリズムがやたらとアタマに残る"pt.4"は、呪いのような繰言とキ○ガイ・ヴォーカルが高速転回するヘヴィ・リフ上で暴れまくるショート・ナンバー。性懲りもなく地鳴りのようなインスト(4分)を挟み、クリア・ディレイの激鬱美麗が病的に絡めつけられる"pt.8"はモハヤ誰モ止メラレナイ17分超。Caspianが狂気に侵されたかのような壮大に過ぎる重金属質交響曲は、中盤からたっぷり8分をかけて敷き詰める十重二重の爆音で空間を完全殲滅。焦土のような脳内地で繰り広げられる"pt.9"は、舌なめずりするように嫌らしいスラッジ・リフを伴奏にして読経が繰り延べられる8分間であり、胃が悪くなりそうな重低音が轟くヘヴィ・ドローンの"pt.10"は脈絡なくブチ切れて終わる。

とりあえずベストトラックは"pt.6"。このベースラインはキモチ良すぎる。意識を完全に宇宙へと飛ばすシンセで煽りながら、衝動に火をつけて止まない凶裂なヘヴィネスで圧しまくる10分超のトリップ感は「ヤバイ!」の一言。通勤通学のお供にはなり難いかもしれませんが、好いですよ。聴いてみてね。ちなみに今年出た新譜のほうは、幸か不幸かいっそうのSUN O)))化が進んでワタシにはちょっと付いて行けませんでした。

http://www.myspace.com/bongripper
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