BLOOD TSUNAMI/Grand Feast For Vultures

★★★★

ネタとしか思えんバンド名(並びにタイトル)を引っさげながら、おそらくはクソマジ、かつド直なまでに激烈なメタリカル・サウンドで刻み奉るノルウェー発の4人組による2nd。なんでもドラマーのFaust(ex.EMPEROR)は、ガチの殺人罪で逮捕⇒服役⇒出所して復帰っちゅう笑えない経歴の持ち主なんだって。一体どんだけアブナイ音なんでっしゃろ?と思いきや、ひたすらのアグレッションが炸裂する聴感は、ただただ痛快なまでに明快でカッコ良すぎてそれこそ、血肉が踊る。

矢継ぎ早に叩き出されるサウンドは、古典的なまでに明快なスラッシュ・サウンド。例えるなら白刃やら手榴弾を手にした千手観音がモーターバイクを駆り立て突っ込んでくる(語呂が悪い・・・)ようなアタマ2曲の兇悪なキレ味で死亡。イービルな質量を増した空間にメロディックなギターが稲光り、後方をブラストビートが掃射するTr.3"Personal Exorcism"で完全降伏。既に死に体ながらも幸福。あぁ幸福デス、ってこのネタ前にやったっけ?

しかしこの演奏技量はホンモノだわぁ。ただ速いだけ激しいだけといったレベルを完全に超えておる。のっけからのフルスロットルを体感させときながら、そっからさらに輪をかけた加速・爆裂を展開する終盤のタイトルトラックもスッゲー燃えるのだが、圧巻なのは共に10分を超えるラスト2トラック。中期IRON MAIDENばりの勇壮さも加わる劇的なサウンドは、ほぼオールインストに関わらずその長さを完璧に捻じ伏せる形で屈服させる。猛烈な音塊が走り抜けた後の荒野で、半ば呆然としながら残された高揚に酔いませう。素晴らしい!

http://www.myspace.com/bloodtsunami