BLACK TUSK/Set The Dial

★★★★

理性をヘシ折るド直の爆音!米ジョージア州サバナのヘヴィ・ロック・トリオによる4作目。同郷BARONESSのメンバー/John Baizley が手掛けるアートワークのためなんだか混在しがちだが、そのサウンドはBARONESSのドぎつい哀愁とも、あるいはMASTODONの猛々しいケモノ臭ともまた異なるヘヴィネスに充ちている。

"swamp rock"を自称するそのサウンドは、着弾し破裂する砲弾のようなインパクトと土煙が充満し、ヘヴィだが突き抜けた快をこれでも喰らえ!と叩きつける。ツインならぬトリプル・ヴォーカルちゅう体制で、性急に吐き出され掛け合わされるくワードのパンキッシュな「キレっぷり」がまた尋常でなくカッコよく、そのスリリングなエキサイトっぷりは前作のソレを軽く飛び越えている。

ひたすらに直向する爆音が逆にグルーヴィなキャッチーさへと繋がっていくサマは、今年リリースされたKYLSEAの新譜とも相通ずるか。そこまで邪知暴虐!ってわけではないが、乱暴極まりない爆音が、逆に陽性のグルーヴを感じさせるグルーヴにまでイッちゃってる感じはUNSANEっぽくもある。正直、前作まではそれほど印象に残らなかったバンドだが、ここにきて猛然とその踊るヘヴィネスにぶっ潰されました。最高。

Listen
Buy