BELL X1/Music In Mouth

★★★☆

Bell X1は、元々juniperと言うバンド名で活動していた4人組のうち1人が抜け、新たなメンバー1人を迎えて始動したアイルランドの4人組バンド。Tr.1、Tr.2は、grandaddyにも通じるような、lo-fiちっくな曲調にバンジョーの音色が加わり、どことなくアイルランドの片田舎を思わせるような、カントリー色が漂う曲になっている。一方のTr.4、"Eve ,The Apple Of My Eye"では、レディオヘッドのLet Downのような、美しいメロディーを奏でている(ちなみにボーカルも思いっきりトムヨークばりのファルセットボイスで歌い上げている)。その他にも正統派UK的なサウンドの曲がちりばめられ、"White Water Song"では、アルバム中唯一のガレージロックサウンドが、しっかりとしたバンドアンサンブルとなってかき鳴らされている。

個々の曲のクオリティーは中々高いと思う。しかしアルバムジャケにも「Thrillsよりもラウドで、今のRadioheadが演るべき音」と評したシールが張られたりしているように、現段階では、「○○のような」という形容から抜け出せていない。バンド名は、音速の壁を始めて超えた飛行機の名前から取られたそうだが、このバンド自身も、他バンドを比較に出される壁を打ち破って、独自の地位を獲得してほしい。



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