AUTOLUX/Future Perfect

★★★★

 紅一点のドラマー、Carla Azarを据えるLAのトリオバンドAutoluxの1st。オープニングの"Turnstile Blues"は、そのCalraが打ち鳴らすスネアのハードな音により幕を明け、キャチーなフレーズを歌うウィスパー気味のボーカルを飲み込むように、フィードバックノイズが降り注ぐ。計算されつくした不安定さの上で奏でられるバンドアンサンブルが素晴らしく、エフェクトがけられた手数の多いドラムスとアングラな質感を醸し出すベース、そして効果的にノイズ音を散りばめるギターが織り成す不協和音の美しさに瞠目させられる。

 マイブラを思わせる歪んだ音像空間とノイズ、ディストーションギターが錯綜する"Sugarless"、Goo期のソニック・ユースを彷彿とさせるスリリングなギターとボーカルの掛け合いの妙が感じられる"Blanket"の他、Calraの繊細な歌声がクリアなギターフレーズと交じり合う"Asleep at the Trigger"では、VUにも通じるような柔らかな光を感じる。そして続く"Plantlife"は、空間全体に深いリヴァーヴをかけたドリーミーなシューゲイザーサウンドと、個人的に大好きな音のオンパレード。各曲単体だけでなく、アルバムトータルとしても非常に完成度の高い作品ではないでしょうか。ちなみにメンバー揃ってかなりの美形なので、これから人気出るかも。

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