A SUNNY DAY IN GLASGOW/Scribble Mural Comic Journal

★★★★

双子の姉妹LaurenとRobin、さらに兄のBenを加えたDaniels3兄弟と、その友人であるMichの計4人から成る、フィラデルフィア発のバンドによるデビュー・アルバム。

両サイドのスピーカーから燦然と鳴り響くのは、Cocteau Twinsばりの天上の浮遊感と、My Bloody Valentineの艶かしい歪みを巧く折衷したようなシューゲイズ・サウンド。彼らはさらにその渦中へ、微細に煌くエレクトロニカ/ダンサンブルに打たれるビートを放り込み、オリジナルな色彩が入り乱れ舞い踊る、非常にアトラクティヴな音の多層を創り上げる。

美しい揺らぎで魅せる 浮遊感に満ちたアンビエンス
拡散するノイズが脳裏に描き出す 純白の昂揚感

横溢するファズの奔流と、煽情的に穿たれるビート、眩いキラメキのサニー・サイド・ポップを奏でるメロディ、、、これらが渾然となり一体となり、素晴らしい恍惚のレイヤーを形成するTr.6"5 15 Train"

このキラーチューンを中軸に、絶妙なチルアウト作用を伴いながら高次の昂揚ラインで輪舞する楽曲群。終始に渡り、美麗に煙るアチラの景色を描き出すサウンドスケープは、その端々でシューゲイズという既存の括りを超えた、より鮮やかな瞬間をも現出させているようだ。そのほとんどが宅録であるという事実に反比例するかのように、非常なキメ細かさを感じさせるサウンド・プロダクション。バンド名に惹かれるモノを感じた人は必聴の、高いクオリティを持った良作。

http://www.myspace.com/sunnydayinglasgow