KIERAN HEBDEN & STEVE REID/NYC

★★★★

M.Davis始め、名だたる名手とのセッションを行っている米国のジャズ・ドラマー/Steve Reidと、Four Tet名義での活動で知られるミュージシャン/Kieran Hebdenの2人から成るユニットの4作目。

ミニマル・ミュージックの反復手法に、ポストロック的上昇アプローチを軽やかに嵌め込んだ楽曲が、スピリチュアルな陶酔渦巻く浄土を描く。Kieranの独創的なエレクトロ・サウンドと、Steveが繋ぐストイックなドラム・アプローチが絶妙なバランスで拮抗。タイトなテンションを張り続けながらも、聴き流しを可能にするスムースな「流れ」を持った音像がかなり良い。即興の面白みは十分に残しつつ、落としどころを心得た洒脱な展開がなんともニクい。

意識を惹きつけるに十二分なリズムが心地良く躍動し、いくつもの表情を持った生音/電子音が嫌味なく絡み、散らばっていく。JAZZとエレクトロニカ、ポストロックの三角形の丁度真ん中で行われるような楽曲は非常に馴染みやすく、と同時にそれぞれのジャンルのリスナーに(気づかずも)僅かな越境の満足感をも与えるような気がする。この手の音をしっかり押さえるあたり、いかにもDOMINOらしいなー、、、と余り関係のない考えも頭を過ぎった良作。非常に気持ち良いです。

http://www.myspace.com/fourtetkieranhebden