120 DAYS/S.T

★★★★

ノルウェー発の4人組、120 Daysのデビューフル。広大な宇宙空間を攪拌するギターの旋律に、テクノ畑にも通じるカラフルな電子の煌めきが絡み合う!流麗かつアッパーに昂揚をかき立てるサウンド・スケープが素晴らしい、魅惑のスペース・ゲイズ・ロックチューン。

撃ち込まれるダンサンブルなビートの音塊と、明滅と爆発を繰り返すシンセを大胆に導入し、スペーシーな空間を描き出す広大なギターのヴェールが全てをかっさらっていくこのサウンド!オープニングトラック"Come Out Come Down Fade Out Be Gone"からして、その特異なサウンドがこちらを呑み込み包み込む。電子音を巧みに取り込んだ、シューゲイズのファクターも強く感じさせるこの疾走離陸滑空飛翔旋回系のロックナンバーは、Six By Sevenにも通じる素晴らしいナンバーだ。

そうした共通項の一方で、特筆すべきはそのヴォーカリゼーション。一見クールを装いながら、いざ箱を開けてみれば「煽!煽!煽!煽!」といった具合に聴き手をアジテートしまくるヴォーカリスト/Adne Meisfjordの扇動っぷりが非常にヤバイ。Primal Screamのボビー・ギレスピーなんかも思わせるアーティスティックなキレっぷりにより、強烈な昂揚感をコチラに提示する。いやー痺れる!カッコイイ。

ベストトラックはTr.5"Get Away"
爆発的な昂揚でもってリフレインする鍵盤が昂揚中枢を扇動し、野太いベースが地を這い蠢き螺旋を描く。エフェクトがけられたドラムの打塊に導かれ、雄叫びを挙げるギターの暴力が立ち上がるその様は、興奮必至の素晴らしきナンバー。

いつの時代においても決してメイン・ストリームに躍り出ることの無いこの手のサウンド。しかし好きな人間にとってはタマラン魅力をもって光り輝くこの手のサウンド。先に挙げたバンドを始め、Spacemen 3の系統樹に寄っかかって生きてる人は是非聴いてみてください。オススメです。

http://www.myspace.com/120days